当社の経営理念には、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)が利益のみを追求するのではなく、組織活動が社会へ与える影響に重きを置くことが明言されています。会社は経営者や株主のものでもなく、社会のためにあるという考えからです。
当社のルーツは江戸時代に遡り、初代・櫻井甚左衛門※(??宝暦10年)は長男でありながら本家筋を追い出され、裸一貫で新家を設立しこの地の開拓に着手しました。この時期は寛永年間の出来野一帯の干拓事業が行われた時期に符合します。しかしながら当時の生活は大変厳しかったと代々口伝されています。天明期から天保期にかけては度重なる洪水や飢饉が続きましたが、被害の大きかった安政の大地震の際、当家では米五斗四升を拠出したという記録があります。明治期に入っても地域への奉仕活動が行われ、これが当社の社会的貢献のルーツになりました。
話は変わりますが、江戸時代の近江商人の家訓に「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉があります。地域への利益還元の「世間よし」は単に理念ではなく、事業として積極的に行うべしという考えです。当家でもそれは300年という時を越えて、会社組織として改組した現在も続いています。
一般に営利企業は利潤追求によって永続的な存在となることを目指す法人ですが、企業の行動は単にその企業の利益のみによって計れるものでもありません。市民としての企業の社会的業績も行動の結果として現れることになります。したがって社会貢献は企業利益を実現した結果行われるのではないと考えています。
当社は従業員、お取引先、お客様、そして地域社会が幸せになることを第一として考え、利益が経営者や株主だけに集中することのないように取り組んで参ります。
※当家6代櫻井権太郎が頭取を務めた大師銀行は株式会社横濱興信銀行(現在の横浜銀行)に合併吸収され、当社との関係はございません。